金利,もしくはポルシェ911カレラSのこと
いきなり直球を投げる.お金の話だ.
お金のことを「先立つもの」などと表現する人もいるが,家に関して言うならばそれは必ずしも正しくない.例えば,5000万の家を建てるのに,手元に5000万なくても別に問題ない.銀行が貸してくれるのだ.5000万が先行する必要はない.
家を建てるのに,とりあえずはそこまでお金はかからない.必要なものは,お金そのものよりもむしろ銀行がお金を貸してくれるだけの信用だ*1.
まあ偉そうに語ってはいるが,僕はいままでお金のことをちゃんと考えたことがなく,こういったこともはじめて知ることばっかりだった.でも,金利はどこが安いとか,団体信用保険がどうとか,借り換えがどうとかそういった実際的な話はよそにいくらでも書いてあるので,ここでは書かない.代わりに金利の実際的な意味とその妥当性をちょっと考えてみることにする.
実際に,銀行で5000万円を借りて30年で返すと,今の住宅ローンの金利では,ざっくり1500万くらいの利子がつく*2.大金だ.最新のポルシェ911のカレラSが買える.これは,5000万の家を好きに建てて,30年前倒しで先に住むためのコストだ.それが,1500万円.もしくはポルシェなのだ.世の中そういうふうになっているのだ.それが,世の中の仕組みといっていい.
こつこつ貯めて5000万貯まってから家を買えば金利を払わなくても良いのだから,ポルシェ一台分浮くじゃないかと思うかもしれない.でも,その間の家賃はいずれにしてもかなりかかる.住む場所にも寄るが,都内に一家が住めるマンションを借りるだけで,ヘタすれば30年で5000万以上かかるかもしれない.しかも,その場合あとには思い出以外は何も残らない.
まあともあれ,僕の考えでは今すぐに好きな家に住むために1500万余計かかるというコストはそんなに高くないと思うのだ.
それに,まっとうに貯めても30年たてば自分は60歳を越えてしまう.子供は巣立った後だし,そんなとしでポルシェが手に入っても,楽しく乗りこなせないかもしれない.
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え?1500万で済めるみたいに言ってるけど,さらに家に5000万かかるって?
まあそうなんですが,それはいつ建てても同じなのですよね.いつ建てても5000万くらいの家はそれを建てるのにだいたい5000万くらいかかる.
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いずれにしても,実際にはそんなお金は微塵も無いので,自分は有無を言わさず借りる.銀行が貸してくれるんだから,ハナから借りてしまえばいいのだ.銀行が貸してくれるということは,「この人は払いきれる」とお金のプロが判断したということなのだ,たぶん.
だから,払えるか心配とか大きい額を借りるのが怖いとか,そういったことは多分どうでもいいこと.そんなことは最初から施主が考えることじゃないのだ.プロが貸してくれるというのだから,だまって借りれば良い.
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え?いまどき持ち家なんてリスクだらけ?
そうね,多額のお金を借りて家を買うのは確かにリスクかもしれない.でも言ってしまえば生きているということ自体がリスクの塊だ.なのに,家を買うリスクだけ避ける必然性は,自分にはよく分からない.逆に言えば,賃貸の家賃は,そのリスクを回避するためのコストである.でもそのために家賃だけで30年で何千万払い捨てなんてのは,むしろ高すぎじゃない?なんていう考えもあるでしょう.
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ともあれ,このようにいろいろと正当化しながら家を建てようとしているわけであります.ポルシェ欲しいなー.