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羊飼いたちの休日

全力で家を建てるブログ

団欒の舞台装置について

団欒という現象を即物的に説明すれば,こうだ.暖かい暖炉と大きな無垢材のテーブル.そこに家族が集う.そういうことにほかならない.さらに一杯のコーヒーでもあれば,もうそれ以上言うことはない.

 

というわけで,最近はひとまず暖房について考えている.

 

暖房.新居にはガス式の床暖房とエアコンがあるので機能的にはそれで十分……終わり.でもねでもね,ちょっとまって,男のロマンってあるでしょ?

 

 

そうそれは,薪ストーブ.

http://instagram.com/p/YxBK1SEBdy/

北海道「薫風舎」の薪ストーブ

 

 

 

……でもねでもね,それは諦めました(あっさり).

 

なぜかというと,都心で薪ストーブを運用する必然性があまりにも無いからである.

 

・業者から薪を買わないといけないが,高い.

・そして,買った薪の置き場所が無い.一年冬を越すには駐車場二台分のスペースが必要と言われているが,とても無理だ.

・そして,薪についた虫を見て妻が悲鳴をあげ,家庭は崩壊する.

・そして,重い薪を運ぶのも大変だ.僕の腰椎も崩壊する.

・そして,うまく焚き付けをしないと煙がもくもくとあがり,隣家のベランダに干された布団が燻製になってしまう.近所づきあいも崩壊だね.

・そして,本格的な煙突工事が必要だから初期投資も高いし,そのメンテナンスにもまたお金がかかる.口座残高も崩壊する.

 

そして,なにより東京の冬は薪ストーブが必要なほどは寒くない.薪ストーブの存在理由も崩壊待ったなし.

 

 

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ようするに,都内には薪ストーブはオーバースペックなのだ.こういうのは北海道の一軒家とか軽井沢の別荘とかで使うべきなのだ,間違いなく.山も自前で持っていて,チェーンソーとか斧とかも持っていて,友達にきこりがいて,みたいな.ようするに,夢物語なのだ.

 

 

 

 

そこで考えた.薪を燃やすのはせいぜいキャンプで楽しむとか,旅先のペンションにある薪ストーブを眺めることにして,家では諦める.でも,ちょっとした炎をリビングに実装したい.そこで,我が家はペレットストーブを採用することにした.

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ペレットストーブでは基本的にオーロラ燃焼は起きないが,まあ炎がめらめら燃えているだけでそこそこ雰囲気は出る.それにモデルによっては天板でお湯を沸かしたりできて楽しい.燃料も廃材由来なので灯油の次くらいに安い.燃料の保存も簡単だ.コシヒカリみたいなビニール袋に詰めて売られているので,そのまま倉庫に積んでおけばよい.燃料は,ただの木の圧縮チップなので,床にこぼしても灯油みたいにくさくなったりもしない.ペレットストーブはだいたい強制給排気式なので,酸欠の心配もないし部屋の空気が二酸化炭素などで汚れることもない.初期費用もだいたい薪ストーブの半分以下だ*1

 

確かに,壁のガス栓にさしっぱなしで給油フリーのガスファンヒーターほど楽ではないし,石油ストーブみたいに電源要らずでどこでも使えるというわけでもないが,暖房器具としてペレットストーブはなかなかな良いバランスを持っている.

 

 

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さて,問題はどのモデルにするかである.

 

シモタニのCONCORDシリーズがふつうにカッコいいのだが,我が家では「無難にかっこよすぎる」というひどい理由で却下された.確かにちょっとディテールが狙いすぎではある.

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共栄製作所のTAKUMIもすっきりしている.が,「どこかレクサスみたいないやな感じ」などというひどい理由で却下された.まあいいか,確かにこれ高いし.天板でお湯沸かせるモデルなので,見た目と値段がOKなら,個人的には結構いいと思ってたんだけど.

 

 

 

ほかにも海外製のものも含め,良いものがたくさん出ている.日本で入手可能なものはすべて検討したが,結局選んだのは最もシンプルなモデル,さいかい産業のMT-311 SUMITAだった.

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ある意味ちょっとダサいデザインなのだが,道具という意味では無骨でカッコいいと思う.デザインらしいデザインというものが存在しないのが良いのだ.それにこのモデルはFF式*2ではあるが,よくあるファンヒータータイプではなく自然対流+輻射熱式だ.強制給排気なので部屋の空気は汚れない.そして輻射熱式なので,天板が熱くなってお湯を沸かせる.いいとこどりだ.そして確かに一般的なペレットストーブとしては出力が小さめだけれど,東京で,床暖房やエアコンなどと併用する分には十分すぎる性能だ.そしてなにより安い.そして小さい.静か.コレ,いいじゃん!

 

というわけで我が家はMT-311 SUMITAに決めた.あとは設置場所に頭を悩ませるだけだ.

 

 

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とはいっても,ダンパーを閉めた薪ストーブのガラスの奥でオーロラのようにゆらめく炎はやはり,ただそれだけで魅力的なことも確かである.これは薪ストーブを手に入れた人にしか味わえない極上の体験だ.もし旅先などで見かけたら,薪ストーブに興味がない方も,ぜひ一度はこの不思議な炎に注目してみて欲しい.きっとあなたもその煌きに魅了されることだろう.


0:10あたりでダンパーが閉められ,0:15あたりでオーロラ燃焼が始まる.美しい.

 

 

 

(次回はテーブルについてウダる予定です)

 

 

 

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2014/10/9 追記(マニアックな人向け)

 

2012年7月時点で国内で手に入るペレットストーブの一覧を見つけました.ここまで網羅的なリストはほかに見たことがありません.すごい.

http://www.hibana.co.jp/kyoto-pellet/_src/sc1786/pelletstove.pdf

 

でも,VodtkeのSmartの値段は間違ってるんじゃないかなあ.本国でも6000ユーロくらいなので48万はちょっと考えにくい…….他の業者のHPだと86万ってのが多いからやっぱそのくらいなのではないかと思います.

 

2016/12/9 追記

現時点でも我が家にはペレットストーブは導入されていない.最近の標準的な工法で建てられた住宅は,東京の冬ではそこまで寒くないからである.

現時点のラインナップで入れるならこのへん候補かなとは思うんですけども.

*1:煙突工事が簡単なので,その差が大きい

*2:強制給排気式 Forced draught balanced Flue typeというらしい