句会
知人の計らいで,自宅で句会を開いてもらった.子供ができてからは,こういうピュアな大人の贅沢時間のようなときを過ごせるとはほぼ思っていなかったこともあって,これはちょっとした感激だった.みなさんどうもありがとう.
……と,こんな風に書くとあたかも以前からしばしば句会に参加していて,結婚や育児ですこし離れています的な雰囲気なのだが,僕自身は実はこれまでちゃんと俳句を読んだことはなかった.
酒井匠くんという人がいて,最近彼が「やってみませんか」と僕を誘ってくれていた.なんとなく家でやったら楽しいんじゃないかと思ったこともあって,自宅で句会が開催されることになった.
そんなわけで当日は,匠くん*1以外にも,波平*2さん,トオイダイスケ*3さん,るいべえ*4さん,加納 燕*5さんがいらしてくれた*6.
初めてお会いする方も何人かいらした.初対面でいきなり一時間くらいぶつぶつうんうん考えて句を読んで,遠慮するでもなくぶしつけでもなくフラットな気持ちで詠んだものを披露しあうこの感じは,僕の知っているほかの何かにすこし似ているところがある.
戸を開け笛響かせよ夏の雲 まっしょう
匠くん夫妻から本をいただいた.長島有さんが去年たちあげたばかりの同人誌「傍点」にかかわりのあるお二人ならではのチョイスだし,本の内容も入門読者を意識した編集だし,さらに言うとここのところ個人的に長島さんの書くものに縁を感じていることもあり,初めて読む句集としてはうってつけに思えた.
さっそく読んでみた,と言いたいところだが実は後書き「しおり」を読んだだけで本文にはまだ目を通していない.新しいものを見聞きするにあたっては,それが目の前に立ち現れたときが一番新鮮ではっとするものだ,と常々思っている.「第一印象」は一度しかこない.せっかくのその「第一印象」が,忙しい平日にまみれてなんとなくのまま流れ去ってしまうのが怖いから,この句集がまだ開けないでいる.次の休みには手に取れるだろうか.