羊飼いたちの休日

全力で家を建てるブログ

都市に住むということ

都心に住むってどういうことだろうかと最近良く考える.

 

都市の住宅というものは,周囲の景観が確保されないのがふつうだ.周囲を見渡しても,空をゆきかう電線,醜い吹きつけの壁,デザインされていないコンクリート・アルミニウム・プラスチックの集合体からなる景観が広がるものだ.

 

そこで,家を建てる人は,美しく暮らすために,どうやってそれらを遮蔽するかということを考えるものだ.広い土地を買い,垣根や庭を造ることで,周囲から「閉じ」て景観的平穏を得る.あるいは狭い土地でも,高い壁を作ったり,RC作りなどで開口部を減らすことで,内部だけで完結する住空間を作る.

 

けれどもその結果,周辺の景観との関係性を無視してた別空間として,内部だけがきれいになっているという「ちぐはぐさ」のようなものが生まれるのではないか.それは本当に都市の住宅のあり方として美しいのだろうか.

 

 

金村修 「spider's strategy」や,佐内正史「message」などといった同時代作家たちの写真集を見て思うのは,その雑然としたままの都市景観の逆説的な美しさだ.くもの巣のように入り乱れる電線の強さ.何の変哲も無い団地の角の電柱の生命感.そういったものを美しいと思うこと,愛してゆこうと思うことが,都市に住むという行為の根本に必要なのかもしれない.

 

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(c)金村 修

プライバシーや美しさを確保しながらも,いかに閉じない空間を作り出すか,いかに開いた空間で暮らすか.それが,都市に暮らす上での"strategy"であり,都市に生きながら受け取るべき"message"なのではないか.

 

 

SPIDER'S STRATEGY

SPIDER'S STRATEGY

 

 

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